噛みつき・引っ掻きについて

1~2歳児の成長段階において、様々な理由で噛みつきやひっかきをしたりされたりという時期があります。まず保育者の姿勢として、なぜ噛みつくのかあるいは噛みつかれるのかについて、行動面と精神面から考察し、職員でよく話し合います。

噛みつき等の行動の背景を探り、満たされていない部分があれば満たすことができる環境を与えます。園ではそのようにしてまず原因を考え、物的環境や人的環境づくりから取り組んでいきます。

噛みつき等があった場合は、双方の保護者に全て申し伝えます。その上で、今後のお子様にとって最良の生活づくりがなされるよう日常的に配慮して過ごします。お子様の噛みつきが落ち着くまでは、なるべく未然に防げるよう私達も日々の保育を心がけて参ります。

 

しかしながら保育所は『子どもが保育士の手を借りながら自分の力で育つ場所』であり、保育士は子どもの自発的な育ちに手を貸し見守る存在です。生活とは、自分で決め、自分で選び、自分で完結するべきものであると考えます。噛みつきひっかきはこどもの健全な成長の一過程です。交通事故のように目標ゼロを目指すようなものではありません。噛みつきひっかきに限らず、集団生活において全く誰も傷つけず、誰にも傷つけられずに大人になることはできません。物の取り合いや喧嘩から、譲り合いの優しさや待つ力、自分を守る力や友達との遊び方、そしてありがとうの心などを学び取ります。そういった実体験の中で多くのことを知り、学び、自分の中に吸収していきます。それが成長であり、生きるということです。乳幼児期においても例えば「ストーブが熱い」「ぶつかると痛い」「グラスを落とすと割れる」などの実体験があって初めて危険を回避する能力が身に付きます。取り返しのつかないような怪我や失敗は大人が全力で防いであげましょう。しかし、小さな怪我や失敗は大人が未然に防いでしまってはいけないと考えます。こどもの頃には小さな失敗(+それを乗り越える喜び)をたくさん繰り返すことが重要です。現社会では、実体験ないままに大人が事前に回避してあげる環境づくりが過度に進行しています。それにより危険を察知する能力(危機回避能力)が低下しているとも言われています。

 

もちろんお子様が傷つけられた時、他人を傷つけてしまった時の親御様のお気持ちは充分理解致します。園での様子についてはちゃんとお伝えして参ります。喧嘩や怪我は今まさに健全に学び生きている証拠なのだと捉え、我が子を頑張れと応援し見守る姿勢も皆様と共有していければと願います。