保育とは何をする仕事ですか?という問いに

「保育って何するしごと?」と聞かれたら、何と答えますか?おそらく保育士によって答えはバラバラでしょう。医者や介護士や看護師や学校の先生が同じ事を聞かれた時の答えは、保育士の答えよりはまだ一致する割合が高いように思います。それだけ、保育の仕事って?という答えに対する認識は当の保育士ですら漠然としているのが現実ではないでしょうか。もちろん保育所保育指針を読めば、こどもの最善の利益のために・・・・というような素晴らしい文章は答えとしては存在していますが、現場感覚で納得できるような答えではないように思います。「こどもの面倒を見る仕事」と答える確率は高いと想像できますが、そんな簡単な一言では済まされない大変な仕事ですよね。これでは足りない。

で、私はこのように答えています。

保育とは、「人が幸せに生きていく為の原理原則をお伝えする仕事です」と。

皆さんが納得するか否かは別として、そう答えていて、そうでありたいと思っています。こどもが、とせずにあえて人がとしたのは、こどもが幸せになる必須条件として、親やコミュニティにも働きかける役割を持っていると思うからです。そして人間の基礎形成に貢献できるという事は、今はこどもだけれど、その人の将来の人生や社会づくりにも貢献できると思っているからです。

また、原理原則と言うからには、個人や組織の価値観で保育するのではなく、人という生物の発達を知り、生物学的に脳科学的に発達心理学的に間違いのない、人が人らしくあるための基礎を固める専門性を有する事が求められる仕事であると、そのレベルを目指すべき使命を帯びた仕事であると思っています。

そして最も大切にしたい、お伝えする、という表現ですが、人は人の遺伝子に従い、自らの生への欲求で育つ力を備えて生まれてきます。そして、人特有の知的欲求、つまりより良く育ちたい、より良い人間になりたいという願望も備えて生まれてきています。備えて生まれてきていますから、本来生きる力は教える必要はないはずなんです。ただちょっとしたコツをその時々でお伝えするだけでいいのです。文明社会や大人という生き物がこどもから生きる力を奪ってしまって抑え込んでしまって麻痺させてしまっているから、人工的に教え直さないと生きていけない生き物になってしまっていると考えています。だけど人工的になど結局やり切れるわけもなく、何か重要なものが欠損した大人を大量に作ってしまった。そうやって生きてきた人間が今親をやっているので、別にこれが普通でしょと思う相当な危機的段階に随分前から突入しているわけです。だから、親を含め周囲の大人にも、こどもの自らの育ちの邪魔をしないように、上手にサポートして人らしく育てるコツをお伝えしていく役目があると思っています。親にも子にも地域社会にも、教育したり指導したりするのではなく、専門性をもってお伝えしていく、伝わったら、人は自ら成長していく、そういう事を促進する仕事でありたいと思っています。そういう事を発信していく事が私達の、保育業界の使命だと思います。だから私はこう答えます。「保育の仕事ってとっても社会貢献度の高いとっても意義深い仕事ですよ、やりがいのある、未来の社会に幸せのタネを撒くような仕事ですよ。つまり私達の仕事は、人が幸せになる為の原理原則を世にお伝えする仕事です。」よーし頑張るぞー、まだまだ学ぶことは尽きません。