2019年

6月

22日

保育士と保護者がもっと安定して分かり合うために

どの保育園でも、ふとしたきっかけで保育士と保護者の信頼関係にひびが入るなんてことは、よくあるものです。今はなくても、ちょっとしたきっかけでいつでも起こり得る環境にあります。私はそんな関係性、環境をどうにか無くすことができないかと考えています。何よりこどもにとって不幸な事だからです。

保育士と保護者がもっと安定して分かり合うために、もっとゆるがない信頼関係を構築していく為に、私達にできる事はなんでしょう。私はそれを現場の皆さんと一緒に保護者の皆さんとも一緒に真剣に考えていきたいと願っています。

 

こどもは大人の心を察する天才です。

 

たとえ話ですが・・・。

あなたが2歳のこどもだとします。例えばパパとママが喧嘩していて自分の前では笑顔でいても、あなたはすぐに察します。察して笑顔でのぞき込んできます。親が機嫌が悪かったり元気がなかったりした時、あなたはすぐに察して抱きついてきます。あなたは察する天才です。そして、何か違うと感じたことを何とかしようと頑張る小さくも尊敬すべき存在です。

 

あなたのママは一生懸命あなたを育てています。でも保育園の先生は、あなたのママにダメ出ししています。もっと上手にああすればいいのにこうすればいいのに、と。もちろんあなたの前ではそんなことは言いません。でもあなたは察してしまいます。そしてあなたはどんな気持ちになるのでしょう。

 

私達は決して親を評価するような保育士であってはなりません。こどもを評価する保育士になってはもっとなりません。

親やこどもを評価することは私たちの存在意義に反します。なぜなら私達は、親と子の幸せな育ちに貢献するためにここにいるからです。評価から貢献心は生まれません。

 

忙しくストレスの多い現場で、そうなってしまいそうな自分をいつも踏みとどまらせてください。どんなに辛くても、それが保育者の使命だからです。

 

でも、でもです。保育者がいつも愛に満ち溢れ、心折れず、疲れてしまったり人を評価をしてしまったりする事がない様に、親や地域社会も保育者を評価しないようにならなければなりません。もっと本気で互いを理解し支え守り合わねばなりません。

 

私は保育事業を営む者として、保育者一人一人がまっすぐに親と子の幸せに貢献し続けて行けるよう、親と保育者の理想的関係性を保持する事に使命を感じています。

 

なぜなら、あなたの一番信頼する一番近くにいるママとパパと先生が、あなたの幸せを一緒に同じように考えて接してくれていたら、あなたにとってこんなにうれしい事はないからです。そしてあなたはそれもまた察し、幸せいっぱいの笑みを浮かべる事でしょう。

 

パパ会も、BBQも、流しそうめんも、地域の祭りへの参加も、たくさんの保育参加も、保育ドキュメンテーションのアピールも、療育や医療との連携も、心のこもった「おかえりなさい」の挨拶も、全部そういう事のためなんです。そういう事のために私達保育者は日々頑張っているんだと思うんです。

 

そうやって考えると、安定した信頼関係の構築のために、もっとできる事ってあるんです。たとえば「今日もおしごとお疲れさまです」や「お母さまお誕生日おめでとう」と言える事とか、たとえばお子様の3歳の誕生日のお迎えの時に「この子のお母さまとしての3歳おめでとう」って言ってあげたりとかお花をプレゼントしたりとか。

 

そしてお母さまお父さま達からも言ってもらいたいですね。

「先生お誕生日おめでとう」

「先生3年目あめでとう」

「先生いつもありがとう」

親御さんからも、そうやって言ってもらえるような機会、場づくりを何か考えていきたいものですね、そんな幸せな関係になれるアイデアがあったら、皆さんでも話し合ってみて下さい。そしてぜひ実行してみて下さい。

 

幸せを与え合っている大人の姿をたくさんこどもに「して見せて」あげたいものです。

2019年

6月

21日

保育士はこどもの安心基地であること

こどもがあなたに見て欲しい時、聴いて欲しい時、心を通わせて欲しい時、求められている今その時にその期待通りの反応をしてあげること、そうやってこどもの心を満たしてあげるという行為、私達はどこまでその重要性を理解し実行できているでしょうか。

 

「こどもの欲求をいつも正しく満たしてあげるということ」「こちらが何かして欲しい時はお願いをするということ」子育てでも、保育でも、この2つはとても大切だと思っています。こどもに限らず、この人は私の欲求を満たしてくれるという安心感を持つと、人はその人のお願いも満たしたくなるものです。貢献の心です。逆に自分が満たされていないのに誰かを満たそうなんて気持ちは生まれてきません。誰かのために何かをする事に喜びを感じられる人になるには、まずは自分がしっかり満たされる事が不可欠です。特に自分ではまだ生きることができない未熟な乳児期に、安心感に満たされることはとてもとても大切です。

愛着形成において重要なのは、大人がこどもに与えたい愛情を注ぐことではなく、こどもが大人からもらいたい愛情をもらえる安心感の積み重ねであるといいます。こうしたひとつをとっても、私達は子育てや保育において自分を主語にして物事を捉えてしまっている事がとても多いのです。親はもちろんですが、一日大半の生活を共にする私達保育者は、どんな知識よりも経験よりもスキルよりも段取りよりも、まず目の前のこども達の安心基地であることを裏切ってはなりません。いつも私はあなたの安心基地として存在できているか、そう振り返りながら、こどもの視点に立って、こどもを主語にして、日々の保育をしていきたいものです。

2019年

6月

13日

偉大なる「先生」

保育をしていて最も偉大だと思った「先生」の話をします。

私達はこどもの育つ力に働きかけるため、知的欲求を刺激するたくさんの選択肢をこどもに与えようと努力します。しかしこどもの成長は早く、興味の世界もどんどん変わるので、私達は一年中教材や環境を考え、入れ替え、また次の興味に備えます。観察がおろそかになるとこどもの興味と環境がはなれ、環境とこどもを繋ぐことが困難になります。そうなると集中現象をつくりにくくなり、こども達はしたい事が見つからず動き回るようになり、部屋は騒がしくなり、先生は大変になり、ひとりでは見切れないという事態になってしまいます。

そうならないように日々こどもの心の動きを観察し、興味ある環境を拡げる事に私達は努力を惜しみません。そういう事が苦も無く自然体で一年中できるのが偉大な先生なのでしょう。私がそんな偉大な先生に出会ってしまった話です。その先生は毎日同じところに居て、動く事もなく、言葉すら発しない。だから当然こどもを叱ることも褒めることもない。ただじっとそこに居る。ただ一つだけ毎日している事がある。それは「ちょっとした変化をもたらす」ことである。こどもはその変化を発見し、その変化に様々に反応し、自分で考え遊んだり関わったりしています。その先生とは一本の木、ウィズチャイルド【こどもリビング】の庭にあるつどいの木。毎日そこにある同じ木なのに、こども達は毎日そこで遊び、しかも一年中遊んでも飽きることがないのです。これは日々環境を進化させようと奮闘している保育士からすれば嫉妬するほど羨ましいことです。ずっとそこにあるだけなのに、こども達は一年中そこで遊ぶんです。飽きないんです。でも実は毎日何かがちょっと違う、そして毎年の姿も違う。大木になると一見違いはわからないものですが、いつも木に登ったり触れたりしているこども達からすると、その変化はいつも神秘的で魅力的に働きかけてくれるのです。私はその姿を見ていて「命と命のこすれ合い」を感じました。葉をつけ実をつけ色を変え落ちたり枯れたりする木、匂いや湿り具合や天気によっても木は姿を変えます。虫がやってきて卵を産んだり、鳥がやってきてその虫や木の実を食べたりします。鳥によって運ばれた種は糞と一緒にまたどこかの土に落ち芽吹きます。人もまたそういった命と命の関係性の中に居てこそ「生きている」と感じる事ができるのではないでしょうか。

全ての自然はいつも姿をちょっとずつ変えながら存在しています。偉大なる先生「自然」。こども達の育ちにおいて、我々大人はどこまで自然との触れ合いを重要視しているでしょうか。こどもにとって「自然は」大の仲良しの遊び相手であり、そして偉大な先生なのです。多感な時期に一時でも多く一緒に居させてあげたいと思います。

 

また、私達大人が、その偉大なる先生或いは大の仲良しと夢中に関わるわずかなこどもの時間に対し「もう終わりにしなさい。」という権利はおそらくないのです。

 

まとめ。一保育士として、いつでもこどもの心とつながり、叱りもせず褒めもせず、直接こちらからは関わらずとも寄ってきてもらえる存在で、いつでもちょっとした変化を提供できる自然体の魅力的な存在でありたい、そう思った次第です。

 

 

2019年

6月

11日

保育所における理想の職員配置基準とは?

よく聞く話、「保育所の職員配置基準0歳児3:1、1~2歳児6:1、3歳児20:1、4~5歳児30:1は、実際無理だよね。」果たして本当にそうだろうかと考える。現場は間違いなく足りないという。ましてや個別配慮の必要なこどもがいたら更に足りないと言う。では一体何人いれば満足のいく(こどもが?おとなが?)満足のいく保育が実現するのであろうか?幼稚園の現場では30人の3歳児や4歳児を1人の先生が担う。現場職員が悲鳴を上げる実態はあるが、それでも次第にその体制に慣れていく。特段社会から非難される事もなく見直されることもない。保育の世界からすれば、間違いなく30:1じゃ「個のサポート」はできないよね。となるが、多くの幼稚園がそれでも質の高い幼児教育をしていると自負している。はて、このズレは何だろうか?

 

3~5歳児に絞って話すが、多くの保育園や幼稚園を見てきて思う間違いない事がある、それは、先生は多くても少なくても足りる場合は足りるし、足りない場合はいつまでも足りないという事。結局はそこにいる先生がこどもになにをどう働きかけるかで答えは変わる、物的環境と人的環境をどのようなねらいを以って整えるかで、足りる足りないの結論は変えられるという事だ。例えばひとりのおばあちゃん先生が「あら困ったわ皆さんお願い」と言いながら、こどもの自立に火をつけ、ひとり担任でも正常化できている見事な幼稚園を体験した事がある。またガヤガヤと説教や注意が飛び交う主任含め3人担任でもぐちゃぐちゃな保育園を見たことがある。さて、では、我々ウィズチャイルドが目指すところはいったいどこか、その共通理解ができているだろうか。

ウィズチャイルド独自の職員配置基準は、0歳児2:1、1~2歳児5:1、3~4歳児10:1、5歳児15:1である。が、ズバリ、理想は30人にひとり担任でも自立生活が成立できるところを目指したい(5~6歳の日常的自立を確立させるという事)。ただ、たった一人で30人の担任をするという意味ではなく、ある環境枠や時間枠というポイントでは専門の援助者が対応してくれる環境をつくる。少しわかりにくいかもしれないが、つまり3人担任がいないとまとめられないとか運営が回らないとか、そういうレベルの話ではなく、明確な役割を持った大人は複数関わるが、クラス全体のコーディネーターというか、こども達のファシリテーターという存在は一人でも成立できるレベルを目指そうという事である。それは保育士がスキルアップすればいいという話ではなく、

そうなるような環境を創っていこうということだ。保育は環境が第一である。物的環境、人的環境、役割設定、関係性など、様々な環境の準備が必要という話である。

無理と思えば答えは無理となり、できると思えばひたすら目指すということだ。

 

モンテッソーリ教育には「ちいさな先生」という表現がある。おとなとこどもの関係性を、ひとりの先生と大勢のこども達という捉えではなく、大勢のちいさな先生と捉える。正常化(真に成長欲求が満たされた状態)されたこども達の居るお部屋では信じられないがほんとうにそれが実現できるし実感できる。「ほんとうのこどもが姿を現すのを信じて待ちなさい」という言葉もある。もともと人は成長願望、知的欲求を備え、誰しもがより良く育ちたいと願って生きていくようインプットされている。真の保育は、その本来ある力に対し働きかけることにある。そしてモンテッソーリ教育は「環境から働きかけなさい」という。

 

まさにこれだ、と思った出来事がある。それは一本の木とこども達の一年間の姿だ。人の育ちにとって最も偉大なる「先生」は「自然」である事は間違いない、こどもの行動がそれを証明してくれていた。木という存在から多くを学ぶ事ができる。それについてはまた別に記す。

2019年

6月

11日

保育の質とは何か。ウィズチャイルドが目指す保育

ほかの保育園とどんな差別化を図りますか?と聞かれたら、私達はこう答える。

 

どこよりも「こども主体に」どこよりも「こどもを尊重し」

どこよりも「個を伸ばし」どこよりも「やさしさを育み」

どこよりも「こどもの育ちの邪魔をしない」

 

ウィズチャイルドの目指す保育は、どこよりも「あたりまえのことを」。

必要不可欠で本質的な事を深く練り込むことだと。

 

こどもにとってのEssential~本質的なもの・必要不可欠な事~をただ探求し続ける事、実は私達保育業界は、未だそこにすらたどり着いていないのではないだろうか。

 

大人の都合で動いてしまっている事、大人の無意識な言動や行動、禁止、抑制、指示、強制、放任、価値感の押し付けなどでこどもの育ちを阻害してしまってはいないだろうか。保育をしていて時に感じる、私が今あなたを観ている事に気づかれただけで、私が今そこに居るだけで、あなたの集中すなわち育ちを邪魔してしまうと。また逆に、こどもが誰かを必要とした今まさに、あなたと目を合わせ小さく頷いて見せるだけで、保育者の役割を全うできたと。

そんな存在同士の小さな関わりに真剣に目を向けていきたい。ウィズチャイルドは常にそういう保育所でありたい。そういう事を大事に育み続けるプロの保育チームであり続けたい。

保育者の本質的な役割、こどもにとっての保育者の必要性、そんな基本的な事にこそ、私達は常に自問自答し続ける必要があると思う。私達おとなはこどもの姿からもっと学ぶ事ができる。そして、さらにさらに保育の質を向上させることができる。

2019年

6月

09日

福祉ネットワークでこども子育ての包括的支援の可能性を考える

保育業界は離職率が高い。なぜか。理想と現実のギャップを感じるからである。では何がギャップか。処遇の低さも確かにあるがそれは入職時に知っている事なので、実は離職の本質的理由ではない。もちろん様々理由はあるが、最も大きいと思われるギャップ、それはこどものお世話をする自分を夢見て入職したはずが、保護者の子育て支援をしなければならない事。え?そんなわけない、と思うかもしれないが、現実に求められる仕事において保護者支援は思っていた以上の比重を占める事を知る。保護者支援の大変さを入職前に実感する事はまずない。見学でも面接でも体験でも知る事はできない。見せる側も見る側も対こどもの世界にしか目が行かない。だから実感ないまま入職してしまうのだ。しかしながら新保育所保育指針でも「子育て支援」という新たな項目がまとめられるほど保育所の社会的役割として明記され、保育士を目指す者にとっては主要な仕事となっている事も事実である。保育士になるには、こどもの育成に加え保護者支援の仕事に携わるという覚悟が必要なのだ。

 

と言いながら一方でこういう想いもある。保育士の再定義だ。つまり「保育士」はなるべくこどもに集中できるように仕事を切り分けるという考え方である。こどもの身の回りのお世話専属のお仕事にしてしまう。その代わり給与はさほど高くない。一律保育士と名乗らず、名称もお世話係は「こども生活アシスタント」とし区別する。保護者支援や発達などの専門的ケアを行なう者は「子育て支援士」とし組織の上位に配置する。子育て支援士は発達支援や面談ができたり、環境指導や保育計画に沿った実践指導ができ、専門資格を有して園づくりを主体的に行なうため給与も高い。

これは考え方の一例であるが、フランスではそのような分業制度が確立されていると聞く。実際に訪れたイタリアのレッジョエミリアでもそのように組織されていた。

日本では保育士不足が深刻化する中、ただ経歴が長い者が無条件に優遇されたり、対大人の仕事が苦手だからこの業界に来た者が資格者だというだけで重宝されてしまう実態もあり、十把一絡げに「保育士」としてそのすべての処遇改善を行なう事にも疑問を投げかけたい。現状の体制では業界全体の質の向上は困難である。社会のひずみによって生じたあらゆる子育て関連の課題が、何でもかんでも保育士や保育所に求められている事も事実、チーム内でも明確な役割分担や目標設定を行なう必要性が高いと感じる。内部での分業を進める一方、地域全体で子育て支援に取り組む必要性はもっと高いと感じる。ウィズチャイルドでは、療育、医療、環境教育の各専門分野とのネットワークづくりに力を入れている。こどもの豊かな育ちの包括的支援を実現し、保育士の真の働きやすさを生みだす事を目的として取り組んでいる。民間の知恵を集めて取り組むが最終的には行政支援も欠かせない。周囲にメッセージを発信しながら、小さな成功例を築き上げるしか今はないと考える。

道のりは険しいが更なる高みを目指す。

2019年

6月

03日

保育業界の新しい取組みの情報です。

ウィズチャイルドスタッフの皆様へ。先日の協議会総会にて、汐見稔幸先生が最後に部屋に来た際に仰っていた保育の実例集や自己評価表などの検討資料です。「日本の保育は基本概念は指針としてまとめているが実践は全て現場任せにしている、だから進化が遅いんだ。」というような事を仰り、だからつくるんだと仰っていたあれです。
まだ確定版ではないようですが、相当固まっているようなので、いち早く勉強したい方は順次読んで学んで参りましょう。

 

保育所等における保育の質の確保・向上に関する検討会(第7回)資料

 

ティラノサウルスは全身を羽毛のような毛で覆われていた。太陽系で最も早く生まれた惑星は木星だった。ハンドルを握らなくても車が目的地まで連れて行ってくれる。お金を持ち歩かなくてもいい生活になる。会社に行かなくても全世界と仕事ができる。音声入力するだけで自動通訳され世界中の人と話ができる。保育所と保護者はスマホとタブレットで全ての情報交換を行なう・・・・。

時代は変わる、常識も変わる、世の中は刻々と変わる、あらゆる事象がこれから加速的に変わっていきます。保育も変わっていきます。今までの「あたりまえ」はいとも簡単に塗り替えられていきます。組織も変化し進化し成長していかねばならない。働き方も変わっていく事は避けられない事です。

では考えてみてください。Aさんは今年入社した新人です。会社の一番新しい姿を見て入社してきます。入社一年目ですが、実は最も「今」を受け入れやすく、これからの変化に最も柔軟に対応しやすい存在です。Bさんは入社10年目です。会社の一番古い姿を見て知っていて、かつ新しい「今」もこれから向かう「未来」も誰よりも知っていて、新人を教育する立場です。そういう関係性にあることが理想的だとします。

 

このような関係性になるには、つまりは、長く働いている者ほど誰よりも柔軟に変化する必要があるという事です。AさんよりBさんの方が変化への柔軟性が乏しいと関係性が成立しません。また、AさんとBさんが同じ柔軟性を持っていたとしても成り立ちません。。なぜならAさんの方が変化へのストレスが少なくBさんより容易に変化を受け入れられる為、先に進むのも早いからです。では組織においてBさんに求められるのは何か?それはAさんより強い柔軟性とストレス耐性です。キャリアを積みながら、柔軟な思考力を鍛え、変化へのストレスを鍛えるのです。長く働く者にはどうしても求められる必須のスキルです。

 

ではこの2つを「鍛える」とはどういう事でしょうか?

一言で言うと、「学び続ける(自らを更新し続ける)」という事です。自らが学び続け、考え続け、アイデアを出し続け、行動し続けるということです。自ら未来への新たな挑戦を行なうという事です。かといって一人で仕事するわけではありませんのでチームで進化する必要があります。組織の停滞は死を意味します。進化し続けなければ世の中の変化から取り残され、社会から不要な存在になってしまいます。

 

長く働く者ほど自己研鑽を惜しまず、誰よりも柔軟に変化を受け入れ、検証し、振返り、次の一手を先頭に立って打っていく必要があるのです。会社やリーダーに依存すると仕事の意義も組織での自らの存在意義も次第に見失ってしまいます。

 

先日のブログにある汐見先生も見据える未来を担う人間をどのように保育・教育で育てていくか、何を重要として育てていくか、じゃあ、今、これから、どんな保育を目指すのか、私達はそういう事を考えていかねばならぬのです。

 

そして今、ウィズチャイルドが保育のベース化させようとしているのが、自然体験による基礎体力作りと環境教育です。保育の基本的役割として明確に位置付け、自然環境と命を尊ぶやさしい人間を育てることです。万物への愛、地球愛を育む事はモンテッソーリ教育の目標そのものでもあります。

そしてもうひとつ、多様性を認め合う力を育むことも未来を生きるこども達には必須です。インクルーシブな社会づくりへ貢献するために、生命の初期に関わる私達保育者こそが、発達に関する理解をチームで深め、その知見を世の中に発信していく必要性があります。

モンテッソーリ教育も、もとは医学や人類学的見地から誕生しています。発達を観察する事で生み出されています。全ては地球平和につながっているのです。

 

ウィズチャイルドが3年ほど前から環境教育の専門家や療育や医療の専門家グループとの連携を深めているのは、そういう理由からです。

 

保育所保育指針(解説書)も読みましょう。できれば10年20年前の改訂からどのような背景で何がなぜ変わってきているのかを読み解きましょう。福祉先進国の成功事例も学びましょう。地球の危機的状況も知りましょう。そして、こども達にしてあげたい、与えてあげたい、という何かしらの想いが湧き出たら、ぜひ僕を呼んでください。そのアイデアをウィズチャイルドは全力で応援します。或いはどんな学びの場を設けたいですか?どんな研修を受けたいですか?その想いをください、そして相応しい学びの場を一緒に探し、なければ生みだしましょう。こどものためになる事をどんどん考えて僕にぶつけて下さい。そして一緒に実現しましょう。

2019年

5月

27日

汐見稔幸先生の講演を聴き、ウィズチャイルドの保育実践と重ねてみる

日本こども育成協議会総会の基調講演にて、東京大学名誉教授の汐見稔幸先生の講演を聴きました。「今我々は人類の歴史をゆるがす大転換期に居る」とのお言葉から始まり、大きく2つの現状を語られました。

ひとつは、世界の富豪26人とその他の全人類の総資産が同じという今まで体験した事のない貧富の差について。世界中で起きている宗教的争いやテロリスト、こういった背景には絶対的貧困が大きく影響している。毎日4万人のこどもが餓死している。この先、貧富の差は更に拡大し戦争も拡大しアメリカに迎合している日本も近い将来テロの標的になるかもしれない。空想の話ではない。と前置き「市民税や都民税などの税金は何のために払っていますか?」と私達に問いかけた。公共の物を共有し、共に生きるため。みんなで支え合って生きるためでしょ。ではなぜ【地球税】はないのだろうか?全地球人が自分の収入の0.01%の地球税を払ってくれたら、毎日餓死する4万人のこども達を救えないだろうか?そもそも、これ以上地球を破壊し汚してしまったら人類は確実に滅んでしまう。物事を全て地球視点で見て考えて、この先環境破壊や戦争はもう絶対にしない、という強い意志の人間が未来にあふれなければならない。私達は未来を生きるこども達にどんな大人になってもらいたいのか?その為に何ができるのか、その答えは決して誰かが与えてくれるものではない。人類が初めて体験するほどの貧富の差をどう解消するかなんて誰も答えを持っていない。と話されました。

もう一つは、人類は右肩上がりに爆発的に人口を増やしてきた。しかし今初めて減少を経験している。人類史が始まってかっらずっと人口は増えてきた。あらゆる制度政策は、人口増加あるいは維持を大前提に作られてきている。人口が減っていく社会を経験した事がないから、今どうしていいかなんて誰もわからない。もはやGDPや経済成長を幸福度の指標とすること自体がおかしい事に気づかなければならない。発想の転換期なんだ。人口増加の時代にはその分食料もどんどん作らねばならない、焼き畑をおこない環境を破壊し、食の大量生産を行なってきた。住居もどんどん増えた。でも今は空き家問題がどうしようもないくらい問題化してきている。でも誰も手を付けられない。今の法律や制度の影響で放置されることになる。例えば法改正を行ない、自治体が空き家を買いとるなどして持ち主の税負担免除などし、新たに自治体の所有地としてそこに都市農園を作り、農薬を使わない自然農業をおこなう事もできる。そうやって自分達の未来を自分達で考えて創り変えていくこともできる。田舎の都市化で発展したのがこれまでの時代、これから先は都市の田舎化をしていく事になる。そういう発想力やアイデアで、誰も答えを知らない人類が経験した事のない未来を生きていかなければならない、そういう答えのない時代を生きる人間を育てていかなければならない。と話されました。

 

これからは「右肩下がりでも幸せな哲学」を新たに生み出す時代です。

とお話された後、本題として「ではこれから私達はどういう保育をしていけばいいのだろうか?」とぜひ議論を重ねてもらいたいとし、徹底的に遊びこむ事の重要性をうたわれ、大事な3つのキーワードをくださいました。

①体を使う。技を刻み込む自ら励んで身に着ける喜びや達成感。

②頭を使う。考える。話し合う。生み出す喜びを味わう。

③共感能力。人を愛するという事。意図的に対話できる仕組みなど。

 

これからの未来はAI社会、その便利の先に人の知恵を絞ったり体で覚えたりする幸福感は残るのでしょうか?それを誰が考えてくれるのでしょうか?

AIのさらにその先の時代、それはきっと「手づくり社会」です。食うために一生懸命働いてきた時代、便利が増え効率化されれば通勤時間や労働時間は減っていきます。その分の人生の時間を私達は生きる豊かさを生み出すことを求めていきましょう。と締めくくられました。(※自分が聞いた記憶で書いていますので表現は多少違う点もあります。)

 

ウィズチャイルドでは5年前にコミュニティをつくった。つどいの木をみんなで移植しこども中心の居場所を創った。そして3年ほど前から「環境教育」をウィズチャイルドの保育ベースに取り込み始めた。それは、地球にある全ての命と物質は自分の命とつながっている事を知り、地球にやさしい人間を育てる必要を感じているからである。また自然の中でたくさん動く事で、基礎体力の向上と環境愛を同時に育むことを目的としている。そして個を尊重し万物への愛を育むモンテッソーリ教育を軸としている。方向性は間違っていない。しかしまだまだやるべき事は限りなくあることをあらためて学んだ。

そして昨年から「療育」の世界との連携に力を入れている。全ての命や個性が尊重され、多様性がより認められサポートされ、調和し合って支え合って生きる社会を目指すためには、こどもの発達への理解を専門家のみならず全ての保育者や子育て世代がもっと深め、その知見が日常生活に活かされるべきと考えるからだ。私達保育業界は今まさに変革を遂げ、保育所の社会的役割を再構築し、何を優先的に取り組むべきかを現場のスタッフ達や保護者と共に見直す時代にきている事は間違いない、とあらためて染み入った今日でした。

2019年

5月

27日

日本こども育成協議会の保育の写真展でウィズチャイルドが受賞!これぞ日頃の保育士の目線です!

2019年

5月

27日

日本こども育成協議会の刊行物「育」創刊号にウィズチャイルドの記事が掲載されました。

「保育」という仕事は、働く者にとって一つの生きる手段でしかないのかもしれません。しかし「保育」は未来の日本社会の担い手の人格形成の基礎を培うとても意義のある仕事です。私達の保育方針は親の子育てにも大きく影響を及ぼします。そう考えると大変な重責であると共に、使命感を以って取組める真にやりがいのある仕事ではないでしょうか。「保育」は単に働くご家庭のお子様を預かるにとどまらず、単にこども好きを仕事にするのではなく、未来社会を担う者達の人生のスタートラインに関わる仕事なのです。未来づくりへの発信基地として、これから子育てを始める若い母親や父親へ、その親達が働く企業へ、そして共に育てる地域社会へ、あるいは固定概念に捉われ続ける我が保育業界や教育業界に向け、新たな変革の道を提示して参りましょう。我々保育事は、今、未来から、新しい発想力と行動力と柔軟性を求められています。常に自分の考えを固定化せず新しい情報を収集し、考え、自問自答し、アイデアにチャレンジしていきましょう。私達の仕事はそういう仕事です。こどもファースト、チーム日本で新しい保育を創造して参りましょう。

2019年

5月

25日

たすく齊藤宇開氏の講演会終了も熱冷めやらず

令和元年5月25日、皆様にご案内しておりました講演会「科学的根拠に基づく発達の理解と療育(2回目)」が大盛況で終了いたしました。たすくグループ代表の齊藤宇開氏の話を聞いていると、今までモヤっとしていた一つ一つの経験が、理論として頭の中でカチャカチャと音を立てて組みあがっていくような気分になります。「ほらほら、あれがそうか!そういう事か。え~⁉なるほど~。」の連続でした。内容盛りだくさんで時間延長して終わったにもかかわらず、その後の質問相談に参加者の列が。ウィズチャイルドでの振返りの時間では、広い視点で未来を見た時の保育所の使命についても熱く語られ、主催の私は感動と宿題の多さのあまり、もう今日は眠れません。しかしながら、たすくの目指す一貫性と継続性は我々ウィズチャイルドも目指すところ。今日を明日にどう生かすか、ここからのアイデアと行動が大事なのです。皆様、自分の引きだしにしまって終わりではなく次の行動をご一緒に模索しましょう。宇開さん、そして集いし皆様、本日はほんとうにありがとうございました。

保育と療育の連携は必須です!チャレンジ!と言ってましたが、必須!に変えます。

2019年

5月

23日

待機児童・保育士不足・少子化問題をきれいさっぱり解決する方法

 超少子化を乗り切るには、もはや待機児童数を減らす数字あそびは何の意味もありません。最も優先的に変革すべきは働き方改革です。例えば、男性の産休2週間取得義務化、男女共に子が3歳に至るまでの上限週35時間労働の義務化などは、さほどハードルも高くなく取り組めます。ただただ国の政策に依存し、今も無償化に手放しで期待し待つだけの姿勢ではこの国は変える事はできません。そしておそらく保育料無償化は少子化の特効薬にはなりません。なぜなら優先順位が違うからです。あと内容も中途半端。保育士不足と同様、なんでも金で解決できるほど単純な問題ではありません。

では具体的にどうすれば迅速に解決へと向かうのか。

まず全ての経営者の皆様へ、自社の子育て中の職員に対し、キャリアと給与を保障した上でもうあと1時間早く帰らせる、そして土日は休ませてください、そうするだけで保育士不足には一気に解消へ向かいます。保育士不足の実態は、朝と夜と土日のできる保育士が足りないのであって平日の日中は実はあまり不足していません。各企業のちょっとの経営判断、ちょっとの取組みが重なれば大きな社会貢献となります。いち早く動けるのは我々です。ぜひ明日から検討お願いします。

 

そして国には次の事をお願いしたい。まず0歳児のパパママへの育休を義務化してください。すると0歳児保育枠が不要になり1~2歳児を多く預かれます。次に小学0学年(準備学年)を創設してください。全国で保育園は足りないが小学校は空いています。6歳の誕生日を迎えた子から小学校0学年に順次進級する制度を整えて下さい。保育所の定員枠が更に空きます。そしてパパママの短時間労働を推進する企業へ補助金を出してください。この3つで保育士不足と待機児童問題はきれいさっぱり解消されます。しかもあっという間に。そしてこれらはさほどハードルの高い政策ではない。しかもパパの育児参加や短時間労働の推進は第2子第3子への効果が絶大であることは福祉先進国が実証済みです。少子化も乗り越えられます。

 

そのために役所は数年おきのローテーション配置を見直し、特に子育て支援課には熟練された職員を配置し権限と責任を持たせるべきと考えます。23年おきに人事異動していたら制度理解を深めるだけで任期を終えてしまいます。大切なのは知識や手続きではなく知恵と勇気と行動です。

2019年

5月

22日

保育士不足解消のカギは働き方改革にあり!短時間労働でワークシェア!

 

今日もまた保育士不足の深刻化、保育士争奪戦などの記事を目にします。対策としてはいつも処遇改善費や運営費の拡充が真っ先にうたわれていますが、違う違う違うんですよ。それ一番にやってもダメなんです。各事業所はこぞって一年中求人広告を出し、それでも足りないから人材紹介会社を頼ります。そしてせっかくの運営費が、広告業界、人材紹介会社へと大量に流れ出るんです。処遇改善費だって離職率や業界内での転職率の高さを解消しないままお金増やしたって、またすぐ辞めて紹介会社に登録して次の職場探しを繰り返されるだけです。ちなみに紹介会社が人集めに宣伝するお祝い金は保育事業者が負担する高額な紹介料から出しているに過ぎない事を転職者達は知りません。転職を繰り返しながら、せっかくの保育の運営費を他業界へ流出させる手助けをしてしまっているのです。つまり、保育士不足解消のためにまずすべき一番は、保育士の働き方改革に他ならないのです。具体的には、残業や持ち帰り仕事をなくし、休日休暇休憩をしっかり取れるよう配慮し、若い保育士が重責を負わないよう職場全体でワークシェアを行ない、イベント行事はイベント屋に頼みという事業者努力、そして国は、ワークシェアや短時間労働の推進企業へ補助金を出すのです。国が第一にすべきことは、今すぐ週30時間以上の保育従事者を常勤職員として認める事です!それだけで革新的に変わります。週20時間以上の労働者に社会保険が適用になっている時代に、未だに週40時間未満の保育士は全員非常勤扱いなんて有り得ません。常勤にしてそこを重点的に処遇改善すればいいんです。今の処遇改善費は経験の長いベテラン保育士へ大量に出るように設定されていますが、目的が保育士の成り手を増やす事なら比重の掛け方を180度転換させるべきです。国はまず週30時間以上の労働者を常勤職員として認める事、そして東京都は独自に既にそこを認めていますから、もう一歩踏み込んで一日5時間以上、月16日以上の保育従事者まで常勤職員にしましょう。そういうところからワークシェアの波を常識化させるのです。長時間の重責労働の見直しをせず、若い貴重な保育士達のバーニングアウトを見過ごし、今いる人の給与だけあげても根本的解決は得られません。それに職務や責任を切り分けることにより保育の質は落ちるどころか高まります。その一つ一つのポジションが短時間に全力を尽くし専門性を深めるのです。その連携はひとりのスーパー保育士が燃え尽きる様に全てを抱えて働くより余程保育の質を高め、安定と持続をもたらします。関係者の皆さんが読んでくれる事を期待します。

 

2019年

5月

20日

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