2/5 多摩市子ども子育て会議を傍聴

多摩市子ども子育て会議では『新制度を見据えた保育所の設置認可について』と題して、認可化を希望する株式会社を許可して良いか否かを、ずっと審議しています。いくら話し合っても答えが出ないので「当事者を呼んで話を聞いてみよう」という事になり、2014年10月、私が会議に呼ばれ答弁してから後、2015年2月を迎える今日まで、その話題が多摩市子ども子育て会議で話される事は一度もありませんでした。答弁の内容は多摩市のホームページで閲覧できます。「株式会社は給料が安いから人がたくさん辞めるが保育の質はどう担保しているのか?」というようなびっくりするような質問に対し、終始誠意を以って応えた次第でございます。2月、ようやくその話題に触れるとのお知らせを受け、期待を胸に傍聴席へ。結果は資料の一部に「保育分野への株式会社参入については賛否それぞれ意見が出され、統一してまとめる事ができなかった。」「計画期間内における待機児童の動向を踏まえ、継続して審議する事にした。」と書かれていたのみ。またも話されることなく終了しました。次年度からは会議開催も毎月はやらず、減らす方針と聴き、なんともなんとも・・・・

 

さて、是非ともおさらいをしていただきたい。

①認可要件を満たす株式会社が認可化を希望した場合、区市町村の判断でそれを断る事はできない。これは法律で定められている事です。

②新制度は、待機児を解消するだけが目的ではない。全てのこどもの最善の利益を守るため、例外なき保育保障を約束するものである。子ども子育て支援法の基本指針です。

③「認証を選んで来ている人はたくさんいる。認証は認可にならずに認証の良さを継続していくべき、利用者にも選択肢があった方がいいのでは?」という意見を多く耳にします。はっきり言います。完全なる認識不足です。大きな勘違いです。その言葉をそのまま認証保育所の利用者に投げかけてみて下さい。本当の答えはそこにあります。認証保育所にしかない良さとは何でしょう?それは本当に認可保育所や認定こども園にはできない事なのでしょうか?断言します。新制度上ではそんなものはありません。

 

「第一に、私達は認証保育所だから選んでいるのではありません。認可に入れなかったから、或いは認可では満たされないサービスがあったから、この保育所を選んだのです。認可(認定こども園)になった後も同じサービスが受けられるのなら、当然認可化を望みます。第二に、どうして消費増税分の恩恵を私達は受けられないのか!国で保育料を一律にしてくれる事を望まない利用者はいません。私達の誰もが、認証か認可かを選びたいわけではない!ましてやうちの子の園が社福か株式かなんてどうでもいい、そんな事で私達利用者の保育料を区別しないで欲しい。」私が聞いた利用者の声です。

 

新制度はいよいよ始まります。国は大枠を固め動かしました。このあと、どう転がすかは各区市町村次第なのです。もう、都が、国が、金がと誰かや何かのせいにする事はできません。運営主体の損得で考える事しかできない頭では、新制度は到底活用できないのです。視点は利用者、利用者が何を求めているかです。全ての子育て家庭が平等に保育所を利用できるようにする事、この一点に尽きるのです。現実はそうではありません。だからこそ新制度ではそこに目標を定めたのです。目標へと向かう事、現実を変える事が我々のすべきことではないのでしょうか?

 

27年4月から、都は認証保育所の処遇改善を目的とした補助金を大幅にアップします。「だから尚更認証のままの方がおいしいじゃない。」こんなご意見もいただきました。視点が違うのです。私共の視点は利用者視点です。それを、利用者にどう活かすかも運営主体にかかっています。私達事業者には、利用者にちゃんと届くように制度を活かす責任があるのです。