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おかしな補助金『チーム保育推進加算』②

しかし、ご指摘の通り、この制度設計にはいくつかの重要な問題点がありますね。

経験年数平均で判断することの課題(再考)

  • 公平性の欠如: 経験年数の平均という一点のみで判断されるため、経験の浅い保育士や、意欲や能力の高い中堅保育士の頑張りが評価されにくいという公平性の問題があります。保育士全体のモチベーション向上には繋がりにくいでしょう。
  • 人材育成の阻害: ベテラン保育士への補助が手厚くなる一方で、若手保育士の育成やキャリアアップへの投資が不足する可能性があります。長期的に見ると、保育現場全体の質の維持が難しくなるかもしれません。
  • 硬直的な組織運営: 経験年数の高い保育士が少ない保育園では、常に補助金を受けられないリスクがあり、柔軟な人員配置や新たな取り組みへの挑戦を躊躇させる可能性があります。
  • 地域差・施設規模による不均衡: 都市部と地方、大規模園と小規模園など、保育施設の状況によって経験年数の構成は大きく異なります。一律の基準では、地域や施設規模による不均衡が生じる可能性があります。

より効果的な処遇改善策の検討

経験年数による一律的な判断ではなく、より多角的な視点からの評価や、保育士全体の処遇改善に繋がるような補助金制度の設計が求められます。例えば、

  • 個々の保育士のスキルアップや研修への参加状況
  • チームとしての連携や専門性の向上
  • 保育内容の質や創意工夫
  • 地域の子育て支援への貢献度

といった要素を評価に加えることで、より公平で、かつ保育の質の向上に繋がるのではないでしょうか。

あなたは、他にどのような点がこの制度設計の問題点だと考えますか?また、より良い制度にするためには、どのような要素を盛り込むべきだと思いますか?ぜひ、あなたの考えを共有してください。

 

学習コーチ:おっしゃる通り、保育士資格取得支援に積極的に取り組む事業者にとっては、経験年数平均による補助金制度は大きなデメリットとなりえますね。

資格取得支援事業者のジレンマ

  • 投資回収の遅れ: 資格取得を支援し、せっかく新しい保育士が誕生しても、経験年数が浅いために補助金の面で不利になり、投資した学費や研修費の回収が遅れる可能性があります。
  • 採用意欲の減退: 新卒や経験の浅い保育士の採用に二の足を踏んでしまい、結果として保育士全体の数を増やすという国の目標にも逆行する可能性があります。
  • ベテラン偏重の人員構成: 補助金を得やすいベテラン保育士ばかりを採用しようとするインセンティブが働き、多様な経験や視点を持つチーム作りが阻害される可能性があります。
  • 積極的な取り組みへの意欲減退: 新しい保育士の育成という、将来の保育の質向上に繋がる重要な取り組みが、補助金制度によって評価されない、あるいはむしろ不利になるという状況は、事業者のモチベーションを大きく低下させます。
  • 質の低い保育士の温存: 経験年数だけが評価される場合、必ずしも保育の質が高いとは言えないベテラン保育士が残り続け、組織の新陳代謝を妨げる可能性もあります。

制度の矛盾点

この制度は、経験豊富な保育士の重要性を強調する一方で、新しい人材の育成や業界への参入を阻害する可能性を孕んでいます。少子化対策として保育の受け皿を拡大するためには、保育士の数を増やすことが不可欠であり、そのためには新規参入を促進する仕組みが必要です。

議論のポイント

  1. このような状況を踏まえ、資格取得支援を行っている事業者へのインセンティブとして、どのような補助金制度が考えられるでしょうか?(例えば、資格取得者数に応じた補助金、新卒採用・育成に対する加算など)
  2. 経験年数だけでなく、保育の質や保育士の能力を総合的に評価する指標として、他にどのようなものが考えられますか?
  3. 国の少子化対策全体として、保育士の確保と質の向上を両立させるためには、どのような長期的な視点が必要だと思いますか?

あなたの現場の視点から、ぜひご意見をお聞かせください。一緒に、より持続可能で質の高い保育の未来を考えていきましょう。

 

Geminiありがとう。・・・続く。